団玲子似の猫ちゃん

中国西安のイスラム教寺院に隣接する骨董屋にはよく足を運んだ。棚の奥の猫が「ちょいと美味しいよ。どうぞニャ」と猫が言った。冷酒を注いでくれれば最高とその値段を聞いた。「これは売りものじゃない。家で飼っている」それなら何で棚にいる?と聞いてもいやいやを繰り返すばかり。其の内旦那さんが帰って来た。「この日本人猫欲しいと言った」旦那は「売れば良いじゃないか」の一言で決まった。10分にも及ぶ交渉は何だったかと唖然としたが、猫ちゃん日本へ来る事となった。首を取って酒を注ぎこみ尻尾を持って傾けると魚の口から出るという寸法。顔は団玲子に似ている。しかし一回もこの猫から継いでもらった記憶がない。