とらの領分

ノラ猫のとらが我が家にやって来たのはまだ子猫であったが既に人が大好きであった。我が家では妻は中国茶、娘の綾子はピアノ、小生は書道、習字の教室があり常に多くの人の出入りがあった。中国茶の教室だけは入室が叶わなかった。南側のテラスから窓を叩いてアピールしていたが最後まで入れてもらえなかった。習字教室は自由で添削用椅子がお決まり場所でペンギンたちに「とらちゃんどきいや!」と言われても抵抗していた。ストーブの前も同様であったがS君だけはすんなり席を分け合っていた。しかし主導権は堅持すべく前に座っている。