晩秋

朝起きるとまず寝室のカーテンを開けるのが一番の仕事。春は眼下に見える梅や杏の花に目がいく。晩秋の今は紅葉である。しかしどんぐりの樹で燃えるようなものではない。限りなく寂しさやわびしさが心に入ってくる色である。起きてすぐ熱いシャワー、窓全開、布団をベランダいっぱいまで移動して本を読むのが最高の贅沢となっている。