重い言葉

2週間前のキジは「ケーンケーン」カン高い声で気品に満ちていた。今では5分に一遍程度鳴く。繁殖期でメスにアピールしているのだが、メスの姿は辺りにまったく見えない。四方の草むらを駆け回り「キューウキューウ」とか「ギャーギャー」と鳴く。その声は悲壮感に満ちている。可哀そうな気がすると言えば「そういえばあなたもオスだったね」と妻が言った。重い言葉である。因みにキジは昭和22年に国鳥と定められた。卵を抱くメスは外敵が近ずいたも決して巣から離れない。オスは危険を顧みず猛然と攻め巣を守る。家族愛の模範であり国鳥にしたそうな。しかし世界で自国の国鳥を食すのは日本だけと聞いた。