新たなステージの瞬間

S君とMちゃんの習字が終わったのは夜9時半だった。駐車場にお母さんが待っている。二人とも暗い中、教室のテラスで動かない。トリモチの木にセミが羽化していたのだ。いつも教室が終わると裏の網を持ち出してトンボか小魚を獲るのが習字とセットになっているS君。羽化の瞬間を見逃すはずがない。新たなステージの瞬間に小生も立ち会った。毎日を日々絶筆と思いながら真新しい一日を迎えている幸せがある。