ほろ苦い少年時代の思い出

姜尚中さんの「生きる意味」を読んでいる。鎮西大学大学学長でテレビで見たこともおありだろう。文体も簡潔で分かりやすく説得力があり何より品格がある。熊本県生まれの在日二世である。在日二世と言えば小学校のころ仲の良かった秋原君がいた。この小野田市はセメント発祥の地で知れているが炭鉱町であった。吉永小百合の「キュウボラのある町」「泥だらけの純情」のように皆貧しかったが活気があった。秋原君は小学校卒業と同時に神戸に移った。故郷が恋しくなり2年後に帰って来たが小野田駅で無賃乗車が見つかった。駅からの電話で親から借りたお金を握りしめ自転車で駆けつけた。確か運賃の2培のお金だったと思う。彼とは朝まで語り合って朝焼けの中、帰って行った。少年の時のほろ苦い一コマである。